2017年 06月 30日
使い始めの湯煮
購入したうつわを使い始める時
湯煮をした方が割れにくいって言いますね。
なんでこんなことするの?
そのまま使ってはダメなの?って
疑問に思いますよね。
窯の中での様子を想像してみると…
うつわの片方の側はものすごい高温にさらされているけれど
もう片方はそうでもない…ということが置かれた場所によって出てきます。
たくさんの作品を一度に焼くので必ずそういうことがあります。
ひとつのうつわの中でさらされた温度が違えば
焼くことによって生じる土の変化にも差があります。
それをお湯に入れて全体を包んであげると
その差の中にお湯が入り込んで誤差をほぐしてくれます。
均一になる感じです。
食器用では様々な温度のものを入れるので
使い始めにひと手間かけて整えておくといいですよ。
□ 備前焼の場合の湯煮は
水の状態からお鍋に入れ
グラグラと沸騰してきたらそこで火を止めて
取り出せる温度まで自然にお湯が冷めるまで
そのまま放置しておけばOKです
備前焼の土の気持ちになってみると
掘り起こされて
↓
練られて
↓
捻って形を与えられて
↓
窯の中で焼き上げられて
いろんな旅をしてきたなという感じでしょうか。
人間もどこかの旅から自宅に帰ってきたとき
まずお風呂に入って疲れた身体をほぐしたいと思いますよね。
うつわもそんなイメージで
お疲れさま
お風呂でも入って体の疲れをほぐしてね
という気持ちでちょっとひと手間。
お湯につかると疲れがとれて整いますよ。
by mnbcpt2
| 2017-06-30 09:11
| ● 備前焼