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使い始めの湯煮


購入したうつわを使い始める時
湯煮をした方が割れにくいって言いますね。


なんでこんなことするの?
そのまま使ってはダメなの?って
疑問に思いますよね。


使い始めの湯煮_c0336408_18073593.jpg

窯の中での様子を想像してみると…


うつわの片方の側はものすごい高温にさらされているけれど
もう片方はそうでもない…ということが置かれた場所によって出てきます。
たくさんの作品を一度に焼くので必ずそういうことがあります。


ひとつのうつわの中でさらされた温度が違えば
焼くことによって生じる土の変化にも差があります。


それをお湯に入れて全体を包んであげると
その差の中にお湯が入り込んで誤差をほぐしてくれます。
均一になる感じです。


食器用では様々な温度のものを入れるので
使い始めにひと手間かけて整えておくといいですよ。



□ 備前焼の場合の湯煮は

水の状態からお鍋に入れ
グラグラと沸騰してきたらそこで火を止めて
取り出せる温度まで自然にお湯が冷めるまで
そのまま放置しておけばOKです




①お鍋にたっぷりの水を入れます   

➁その中にそおっ~と備前焼が浸かるよう沈めます

③常温の水から煮ていきます    

④グツグツ沸騰してきたらそこで火を止めます         

⑤お湯が常温に戻るまでそのままにしておきます

⑥冷めたら取り出します

これだけです。




備前焼の土の気持ちになってみると

掘り起こされて
  
練られて
  
捻って形を与えられて
  
窯の中で焼き上げられて
  
いろんな旅をしてきたなという感じでしょうか。


人間もどこかの旅から自宅に帰ってきたとき
まずお風呂に入って疲れた身体をほぐしたいと思いますよね。
うつわもそんなイメージで

お疲れさま
お風呂でも入って体の疲れをほぐしてね

という気持ちでちょっとひと手間。
お湯につかると疲れがとれて整いますよ。









by mnbcpt2 | 2017-06-30 09:11 | ● 備前焼

岡山の後楽園 鶴見橋西詰出石町で1884年明治17年から備前焼の店を営業しています。贈答用宅配便での発送も承ります


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